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その日、ライブを終えた澪は不機嫌そのものだった。 澪はずっと深刻な顔のまま黙り込んでいた。 梓が話を振ると一応は返事をするのだが、どう見てもその心は上の空、といったところだ。 そして、澪は突然ベースを片手に飛び出してしまったのだ。 あまりに唐突な澪の行動に、唯達は呆然としている。 「ちょっと私見てきます」 こんな状態の澪は放っておけない。遅れて梓も澪の後を追って部屋を出ていった。 外はもう完全に日が沈んで、外は漆黒の世界だ。 居るとしたら近くの夜間照明が設置されている公園しか無い。 「……あ」 そして、その場所に澪はいた。 駆け足で此処へ向かったのか、既に澪は練習に取り組んでいる。その表情には 鬼気迫るものがあり、いつもの澪とは違う。梓はしばらく物陰から様子を伺う事にした。 「どうして……」 もう、ベースの音は聞こえない。他に人影の無い公園で、澪は膝を抱えたまま小さく肩を震わせていたのだ。 嗚咽の混じった、か細い声。 そこに、普段のクールな少女の姿は無い。そして梓は知っている。 こんな時の澪は、情けない自分の姿を誰にも見せたくないという事を。 でも、それは無理な相談というもの。 大好きな人の泣いている姿を見てしまっては、梓が自重出来る筈も無かった―― 「澪先輩……」 背後から声を掛けられ、澪はビクリと反応する。しかし、振り返るより早く梓は澪の背中を抱きしめた。 普段の澪なら恥ずかしがり梓に離れろと言うだろう。 しかし、それを許さないまでに澪の悔しさは一杯だったのだ。 「梓のいじわる……」 ぼそりと澪が呟く。けれど、澪は梓の拘束から逃れようとはしないままだ。 梓は意を決して語り始めた。 「何でそんなに落ち込んでるのか分かりませんが私は、そんな澪先輩見たくないです……」 「……」 「……ライブで思うように弾け無くってな……」 「あれだけ練習してきたのに肝心なライブで……」 「う……」 ピクリ、と澪は微かに震える。そして、ゆっくりと振り返った。涙で赤くなった目を隠そうともせずに、 申し訳無さそうな表情で。 「ごめんな……。梓には格好悪い所見せたくなかったから……」 しゅん、と小さくなる澪に、梓はクスリと表情を緩ませた。それを見た澪は小さく安堵する。 「最近な、ちょっとスランプなんだよ。……」 溜息をつきながら澪はベースを手に取る。 しばらく澪は黙ってベースを弾いていた。いくらスランプとはいっても、澪の奏でるベースラインは悪くない。 「やっぱりメンタルの問題かなあ……」 ふう、と大きく息を吐いて、澪は一旦手を休めた。 「メンタルですか……」 梓も一緒になって悩んでみたものの、不意に笑みがこみ上げてきた。 「?」 澪がキョトンとしていると、 梓はキョロキョロと周りに人が居ないか確認し、 ちゅっ。 と、澪にキスをした。 「うわぁ、梓いきなり何する!?」 「えへへ、リラックス出来るおまじないです」 「リラックス?」 「澪先輩、気合い入りすぎ何じゃないですか?」 「…………え?」 「以前のようにライブ前にガチガチに緊張する事は無くなりましたけど、その代わり気合いが空回りしてますよ」 「そ、そうか?」 「澪先輩、もう一回弾いてみてくれます?」 「ああ」 澪はベースを弾き始める。 それは、今まで何度も聴いてきた記憶の中の澪が奏でる曲と同じ美しい響きだった。 「澪先輩、完璧!!」 「ありがと、梓――」 そして、澪はそっと梓の身体を引き寄せ―― ――ふわりと抱きしめた。 「へっ?澪先輩?」 胸の中で呆気に取られながら見上げてくる梓に、澪は穏やかな笑顔で応える。 「今の感覚を忘れなければ、きっと私は大丈夫だから。梓のお陰で、久々に満足いく出来だよ」 「――はいっ!」 我が事のように、梓は喜びを笑顔に変えて爆発させる。それは、澪にとっては一番の御褒美であった。 大好きな人の、最高の笑顔。 それは、なによりも澪の心を癒すもの。 「じゃあ、明日からもっと頑張りましょう 澪先輩ならもっともっと上達しますよ」 その、最高の笑顔で梓が励ましてくれる。こんな幸せなことはない―― 「よーし、明日からまた練習だ」 そして、ようやく澪にいつもの笑顔が弾けたのであった―― 次のライブ当日 「梓、ライブが上手くいくようにおまじないしてくれるか?」 「もう、澪先輩ってば」 ちゅっ お終い
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紬「お茶にしましょう」 唯「うん」 梓「あ、私手伝いますよ」 紬「今日は苺ショートとモンブランの2種類あるわよ」 律「私モンブラン」 梓「唯先輩はどれにします?」 唯「私もモンブランで」 梓「澪はどれにする?」 澪「じゃ、苺ショート」 紬(あれ?今澪って?) 唯(呼び捨て?) 梓「はいどうぞ、澪先輩」 澪「ありがとう梓」 紬(今度は澪先輩。聞き違いかしら) 唯(澪ちゃんも何も言わないし聞き間違いだよね) ~次の日 澪「他に誰もいないみたいだな」 梓「じゃあ私達で貸し切りだね」 昼休み、良い天気だから私と澪は一緒にお弁当を持って屋上へ来た。 澪「全く、昨日はみんなの前で澪って呼ぶからビックリしたぞ」 梓「ごめん、澪。ついうっかり」 澪「…澪先輩じゃなくて澪って呼んでくれないか?」 梓「…え?」 澪の口から出てきたその言葉に、梓は一瞬戸惑う。 澪「私と二人きりのとき位、私のこと「澪」って呼んでほしいんだ」 梓「…は、はい……」 呼び捨てで呼ぶ。それだけのことなのに、梓はひどく緊張してしまった。 梓「…み、澪」 澪「ふふ、嬉しい」 澪「それと、出来るだけ敬語も止めてほしいな」 梓「ど、努力します」 澪「努力するよ、だろ?」 梓「努力するよ澪」 そんな会話をしたのが先月。 梓「みんなにはいつまで隠すの?」 澪「べ、別に隠してるわけじゃないんだ。言い出すタイミングがその…」 梓「そうだよね」 まあ確かに軽音部のみんなに説明するの大変そうだしね 。 …私達が恋人になった事 梓「私は、憂と純には話したよ」 澪「えっ?そうなのか」 梓「うん」 澪「で、何て言ってた?」 梓「うーんと」 憂「澪さんと梓ちゃんが?」 梓「うん///」 憂「おめでとう、前から澪さんの事好きだったんだもんね。」 梓「ありがとう」 憂「これでお姉ちゃんは私だけの…」 梓「?」 憂「あ、何でもないよ」 純「まさか梓に澪先輩を取られるだなんて」 梓「ごめんね」 純「ふんだ、良いもん。澪先輩が私の憧れのベーシストってのには変わりないんだから」 梓「純も良い人見つけなよ」 純「どっかに居ないかなー、良い人」 梓「って感じ」 澪「ふーん。結構好意的なんだな」 梓「だから、軽音部のみんなに話しても大丈夫だと思うよ」 澪「そうだけど、もうちょっとだけ時間をくれ」 梓「うん、それよりお弁当食べよ」 澪「そうだな」 梓「はい澪、あ~ん」 澪「照れくさいな///パク…もぐもぐ」 梓「どう?頑張って作ってみたんだけど…」 澪「…まあまあだな」 梓「ええ?!」 澪「嘘だよ、美味しいよ」 梓「澪、ひどいー」 澪「ふふ、ごめんな」 端から見たらバカップルに見えるんだろうか? でも良いんだそれでも。幸せだから。 軽音部のみんなには、まだ秘密。 でも、そうするとこんな事も起こるわけで 唯「あずにゃーん」 ダキッ 梓「ひゃっ。や、止めて下さいよ」 唯「えへへ」 唯「あずにゃん分を補給~」 スリスリ うう、澪の方を見るのが怖い。怒ってるかな? ちらりと様子を伺う。 うわー、般若のような顔でこっち睨んでるよ。 不自然に唯先輩を拒絶するわけにもいかず、あずにゃん分?を補給させてしまった。 澪「全く、唯に抱きつかれて、されるがままなんて」 梓「あれ?もしかして澪、嫉妬してる?」 澪「ち、違う。そんなのじゃない」 梓「じゃあ、私が澪に抱きつくね」 澪「え?」 ダキッ 梓「澪~」 澪「うひゃっ」 梓「澪分を補給~」 スリスリ 澪(うう、こんな筈じゃ///) 梓「機嫌直った?」 澪「も、元から、機嫌悪くしてないからな」 意地っ張りなんだから。 今日は、澪の家で勉強会。私の勉強を見てもらう。 寒いからコタツの温もりが気持ちいい。 澪「ふふふ、梓がそうやってコタツに入ってると本当に猫みたいだな。可愛い」 梓「そう?」 澪「唯があずにゃんって呼びたくなるのも分かるよ」 梓「澪もコタツ入ると猫みたいだよ、澪にゃん」 梓の可愛い冗談がちょっぴり悔しかったので、梓の後ろに回り込み、背中越しに梓を抱きしめ 梓の喉をごろごろと撫でてあげた。 澪「生意気な子猫はこうしてくれる」 澪「よーしよし、可愛いなゴロゴロ」 梓「にゃっ」 すると梓はくるりと振り返り、私のほっぺに顔をすり寄せてきた。 梓「にゃー」 すりすり 澪「わわっ」 梓「ペロペロ」 梓は澪の首筋を舐め上げた。 澪「にゃあっ」 梓「あれ?にゃあって、やっぱり澪の方が猫みたいだね」 澪「///」 2/2
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澪先輩はとにかく人気者だ。 1年次のライブで一躍スターになりFCまで存在する。 通学途中も、澪先輩は次々と声を掛けられる。 なんだろう……。この気持ちは……。 「梓、どうかした?」 澪先輩は急に振り返り、私の顔を覗き込んでくる。 「べ、別に何でも無いです」 私が答えるとふーん、と頷いて、澪先輩は律先輩とおしゃべりを始める。 けど、私は……。 ―――いつからだろう? 私がこんな気持ちを抱くようになったのは……。 「―――でさあ、あの時……」 澪先輩が誰かとおしゃべりするたびに、私の胸に鈍い痛みが走る。それは、醜くて今すぐにでも 捨ててしまいたい感情。 ―――嫉妬。 そう。私は嫉妬してるんだ……。澪先輩に近付くみんなに。 同じ学校の子。ファンクラブの子。そして、けいおん部の仲間である律先輩にさえも……。 つくづく自分が嫌になってしまう。けれど、この感情は私の中で膨らむばかり。 見苦しくて、それを認めたくなくて、私は必死に平静を装う。上辺だけの笑顔という仮面をつけて。 ―――なのに。 「梓、具合悪いの?」 澪先輩だけが、私の異変に気付いてしまう。こんな風に。 そんなの言えるワケない。澪先輩が好きだから、みんなに焼きもち妬いてるなんて。 だから私は―――、 「いえ、昨日遅くまでテスト勉強してたんでちょっと寝不足なんです」 心を殺しながら、私は仮面を被ったまま答えるだけ。その度に、私の心は悲鳴を上げる。 けどしょうがない。これは澪先輩を好きになってしまった私への罰だから……。 「あんまり無理するなよ? 梓は辛くても頑張っちゃうから」 と言うと澪先輩は私の頭を撫でてくれた。 「ハイ、大丈夫です。」 澪先輩の忠告に素直に頷くと、澪先輩はいつもの笑顔を見せた。思わず私は目を逸らしてしまった。 もし、私が告白したら、澪先輩はどんな表情をするんだろう? 澪先輩は笑顔でいるんだろうか? ついついそんな事を考えてしまう。結果は分かってるのに。私が振られてお終い。 それでけいおん部五人の仲にもヒビが入ってギクシャクしてしまう。 だから私が我慢すれば良いんだ。 幾ら心を痛めても、私は我慢する。それだけのこと。 だって、澪先輩を好きな気持ちは捨てられないから――― 好きです、澪先輩…… お終い
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今年の正月は、やたらお餅を食べてしまいました。 実は大のお餅好き。 周りを見てるとあんまりお餅を食べないんですよね。 あんなに美味しいのに、なんで?(笑) 理由を聞くと、大抵こんな返事が返ってきて驚きますよ。 「だって、お餅食べると太るから」 ですって~。呆れますよねー。 更には、 「お餅は好きなんですよね。太らなければ食べたいんだけれども」 なんていうんですから、私には全く意味不明です。 好きな食べ物をそんなに我慢するなんて。 だいたい季節物みたいな物じゃないですか、お餅なんて。 一年中食べてるんだったらわかるけれど、お正月だけなんだから、ちょっとくらい食べ過ぎたからって…。 「太らない体質だから、そんなことを言えるんだよ」 なんて反論されちゃいましたけど、そういうもんですかねー。 確かに全然太らない体質だけれども。 そう考えると、私は幸せ者なんでしょうかね。 関係ないですが、先日、足をぐきっとやってしまいました。 ちょっとした段の部分でくじいてしまいました。 やっと治ってきたんですが、まだちょっと痛いんです。 自由に動けないのが辛いですよ。 こういう変な怪我しちゃうってのが、老化なのかなと感じてしまいます。 ああ、老化なんて言いたくないですが、現実も見ないといけませんね。 前の記事☆次の記事
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25話より ~生徒会室にて~ 梓「はっ‥こ、これって‥一昨年の学園祭のDVD!?」 律「そう、一昨年のライブといえば‥」 紬「澪ちゃんを一躍スターダムに押し上げたあの‥」 律・紬「伝説の~!!」キラキラ 澪「思い出させるなッ!!」 梓「ぐふっ‥!」ガクッ 澪「お、おい‥梓?」 ついつい思い出しちゃった‥ いや、忘れもしない‥あの伝説の学園祭‥ 澪先輩が最後にスッ転んで私達を導いたあの縞々の楽園に‥ ただ私はあの光景を生で見ることが出来なかったそれだけが今でも悔やまれるっ‥ 澪「お、おおおオイ梓しっかしりろっ!」 梓「あ‥あれ? み、澪センパ‥イ?」 澪「急に倒れかけたからびっくりしたじゃないか! ‥だ、だだだ大丈夫か!?」 梓(私が倒れた時一番早くに駆けつけてくれたんだ‥澪先輩優しい‥//) 梓「す‥すいません、つい思い出しちゃって‥」 澪「お、思い出したって何を‥?」 梓「‥いえ、ただの思い出し倒れです も、もう大丈夫です!」 澪「い、いやいや、たぶん全然大丈夫じゃないだろ‥!」 梓「ご心配には及びません、ほら私もうちゃんと立てますし」 澪「あ、梓、コレ‥鏡‥」スッ 梓「? どうしたんですか鏡なんt‥‥あっ、鼻血‥」 唯「あ、あずにゃん大丈夫!?」 紬「早く保健室に行った方がいいわ!」 和「そうね‥澪、梓ちゃんを保健室まで連れて行ってあげてくれない?」 澪「わ‥私が‥?」 梓「‥み、皆さん心配しすぎですよ。鼻血なんてすぐ止まりますし!」 律「とかいって何か問題あったら困るだろ、ちゃんと行って来い部長命令だ!」 梓「で‥でも‥」 律(勧誘ビデオの作業は私達で出来るとこまで進めとくから澪、梓を頼む) 澪(う、うんわかったよ) 澪「梓、私も付いて行くし一緒に行こ?」 梓「澪先輩‥皆さん‥は、はいわかりました それでは行ってきます」 澪「梓、急にまた倒れたら危ないし手繋いでいくぞ」 梓「は‥はい‥//」 梓(ま‥まさか澪先輩と合法的に手が繋げるなんて‥//) 梓(大きくて柔らかいな‥‥だ、駄目駄目! また変なこと考えたら鼻血が‥!) 澪「あ、梓、大丈夫か?」 梓「ふぅ‥‥大丈夫です! 何とか持ちこたえました!」キリッ 澪「へ? もししんどいなら肩貸すぞ、ほら?」 梓「い、いえ平気です、澪先輩にそこまで接近しちゃったら身が持ちません!」 澪「?? ま、まぁ大丈夫ならいいけど‥」 ー保健室ー 澪「とりあえず心配は無いらしいけど一応ベッドで横になっとこうな」 梓「は‥はい」 澪(それにしても興奮による一次的な血流増加の可能性って‥梓に一体何が‥?) 梓「あ、あの‥澪先輩?」 澪「ん?なんだ?」 梓「先輩や他の先輩方にまで迷惑かけてしまい‥本当に申し訳ありませんでした」 澪「そんなこと気にしなくてもいいよ 梓は私達の大切な後輩なんだから」 梓「で、でも‥」 澪「ほーら、そんなこと気にしなくていいから今はゆっくり休め な?」 梓「は、はい‥」 澪「‥‥‥。」 梓「‥‥‥//」 澪「‥‥‥。」 梓「あ、あの‥澪先輩?//」 澪「ん? どうした」 梓「ずっと見つめられてるとその、緊張するんですけど‥//」 澪「あ、あぁゴメンゴメン 私がいたら梓もゆっくり出来ないよな」 梓「へ? べ別にそういう訳じゃあ‥」 梓(むしろずっと一緒にいたい‥! でもあの状況だとまた興奮して鼻血が‥) 澪「じゃあ、私はそろそろ部室に戻るよ。じゃあなあず‥ ガシッ 梓「い、行かないでくださいっ!」 澪「ってあ、梓? どうしたんだ急に」 梓「あ、あの‥一人だと少し寂しいんでもう少し一緒にいて欲しい‥なんて‥思って‥でも‥」 梓(な‥なに言ってるの私!? こんな恥ずかしいこと‥それに澪先輩に迷惑かけちゃ‥) ナデナデ 梓「ふえっ?」 澪「ふふっ‥いいよ、私でよければ 梓が落ち着くまでそばにいる」 梓「い、いいんですか?」 澪「当然だろ。だって梓は私の可愛い後輩なんだし」 梓「かっ可愛い!?//」 梓(いま澪先輩が私のこと‥可愛いって‥私の可愛い梓だって‥わ、私のものだって‥///) 梓「ふほおおおおおおおおおっ! BAN☆ZA―――I!」ブーッ! 澪「うぉっ!? あ、梓また鼻血が!」 梓「澪先輩!」 澪「な、何!?」フキフキ 梓「私、今とても幸せです!」ブーッ 澪「は、鼻血噴出しながら言う台詞じゃないぞ梓! 落ち着けー!!」 おわれ
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25話より ~生徒会室にて~ 梓「はっ‥こ、これって‥一昨年の学園祭のDVD!?」 律「そう、一昨年のライブといえば‥」 紬「澪ちゃんを一躍スターダムに押し上げたあの‥」 律・紬「伝説の~!!」キラキラ 澪「思い出させるなッ!!」 梓「ぐふっ‥!」ガクッ 澪「お、おい‥梓?」 ついつい思い出しちゃった‥ いや、忘れもしない‥あの伝説の学園祭‥ 澪先輩が最後にスッ転んで私達を導いたあの縞々の楽園に‥ ただ私はあの光景を生で見ることが出来なかったそれだけが今でも悔やまれるっ‥ 澪「お、おおおオイ梓しっかしりろっ!」 梓「あ‥あれ? み、澪センパ‥イ?」 澪「急に倒れかけたからびっくりしたじゃないか! ‥だ、だだだ大丈夫か!?」 梓(私が倒れた時一番早くに駆けつけてくれたんだ‥澪先輩優しい‥//) 梓「す‥すいません、つい思い出しちゃって‥」 澪「お、思い出したって何を‥?」 梓「‥いえ、ただの思い出し倒れです も、もう大丈夫です!」 澪「い、いやいや、たぶん全然大丈夫じゃないだろ‥!」 梓「ご心配には及びません、ほら私もうちゃんと立てますし」 澪「あ、梓、コレ‥鏡‥」スッ 梓「? どうしたんですか鏡なんt‥‥あっ、鼻血‥」 唯「あ、あずにゃん大丈夫!?」 紬「早く保健室に行った方がいいわ!」 和「そうね‥澪、梓ちゃんを保健室まで連れて行ってあげてくれない?」 澪「わ‥私が‥?」 梓「‥み、皆さん心配しすぎですよ。鼻血なんてすぐ止まりますし!」 律「とかいって何か問題あったら困るだろ、ちゃんと行って来い部長命令だ!」 梓「で‥でも‥」 律(勧誘ビデオの作業は私達で出来るとこまで進めとくから澪、梓を頼む) 澪(う、うんわかったよ) 澪「梓、私も付いて行くし一緒に行こ?」 梓「澪先輩‥皆さん‥は、はいわかりました それでは行ってきます」 澪「梓、急にまた倒れたら危ないし手繋いでいくぞ」 梓「は‥はい‥//」 梓(ま‥まさか澪先輩と合法的に手が繋げるなんて‥//) 梓(大きくて柔らかいな‥‥だ、駄目駄目! また変なこと考えたら鼻血が‥!) 澪「あ、梓、大丈夫か?」 梓「ふぅ‥‥大丈夫です! 何とか持ちこたえました!」キリッ 澪「へ? もししんどいなら肩貸すぞ、ほら?」 梓「い、いえ平気です、澪先輩にそこまで接近しちゃったら身が持ちません!」 澪「?? ま、まぁ大丈夫ならいいけど‥」 ー保健室ー 澪「とりあえず心配は無いらしいけど一応ベッドで横になっとこうな」 梓「は‥はい」 澪(それにしても興奮による一次的な血流増加の可能性って‥梓に一体何が‥?) 梓「あ、あの‥澪先輩?」 澪「ん?なんだ?」 梓「先輩や他の先輩方にまで迷惑かけてしまい‥本当に申し訳ありませんでした」 澪「そんなこと気にしなくてもいいよ 梓は私達の大切な後輩なんだから」 梓「で、でも‥」 澪「ほーら、そんなこと気にしなくていいから今はゆっくり休め な?」 梓「は、はい‥」 澪「‥‥‥。」 梓「‥‥‥//」 澪「‥‥‥。」 梓「あ、あの‥澪先輩?//」 澪「ん? どうした」 梓「ずっと見つめられてるとその、緊張するんですけど‥//」 澪「あ、あぁゴメンゴメン 私がいたら梓もゆっくり出来ないよな」 梓「へ? べ別にそういう訳じゃあ‥」 梓(むしろずっと一緒にいたい‥! でもあの状況だとまた興奮して鼻血が‥) 澪「じゃあ、私はそろそろ部室に戻るよ。じゃあなあず‥ ガシッ 梓「い、行かないでくださいっ!」 澪「ってあ、梓? どうしたんだ急に」 梓「あ、あの‥一人だと少し寂しいんでもう少し一緒にいて欲しい‥なんて‥思って‥でも‥」 梓(な‥なに言ってるの私!? こんな恥ずかしいこと‥それに澪先輩に迷惑かけちゃ‥) ナデナデ 梓「ふえっ?」 澪「ふふっ‥いいよ、私でよければ 梓が落ち着くまでそばにいる」 梓「い、いいんですか?」 澪「当然だろ。だって梓は私の可愛い後輩なんだし」 梓「かっ可愛い!?//」 梓(いま澪先輩が私のこと‥可愛いって‥私の可愛い梓だって‥わ、私のものだって‥///) 梓「ふほおおおおおおおおおっ! BAN☆ZA―――I!」ブーッ! 澪「うぉっ!? あ、梓また鼻血が!」 梓「澪先輩!」 澪「な、何!?」フキフキ 梓「私、今とても幸せです!」ブーッ 澪「は、鼻血噴出しながら言う台詞じゃないぞ梓! 落ち着けー!!」 おわれ
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澪は三十分も前から待ち合わせ場所にいた。 やや早過ぎる気もするが、元々待つ事は嫌いじゃない。 目的地はすぐ目の前にあるアミューズメントパークである。今日は梓と二人きりでここで遊ぶ事となったのだ。 タダででチケットが2枚手に入ったからと勇気を振り絞り梓を誘ってみたら快くOKしてくれた。 「すいませーん、お待たせしました」 梓の声に、それまで俯いていた澪は破顔する。 「そんなに慌てなくても。まだ約束の時間の十分前だぞ」 「ワクワクしちゃって、ちょっとでも早く来たかったんです」 えへへ、と梓が笑うと、つられて澪も笑っている。 「早く行きましょう」 そう言って梓は澪の手を取り、ゲートへと走り出す。 「わわっ、も、もう強引なんだから……!」 梓の行動に澪はやんわりと抗議するが、その表情から溢れてくる嬉しさは隠せなかった。 (梓とデート……。梓とデート……。夢みたい……) アミューズメントパークに入った二人は、何から手をつけようかと思案する。 「澪先輩は行きたい所あります?」 梓の問いに、真っ先に観覧車が浮かんだ。けれど、どうせ二人で乗るのなら夕方か夜がいい。 「んと、私のお目当てはまだ良いよ。梓は何したい?」 澪が尋ねると、何故か梓は苦笑している。 (あ、そうだった……) 梓は絶叫マシーンの類を好みそうだ。それは澪の苦手とするものであった。そんな澪に、 梓はわざわざ気を使ってくれたのだろう。それがちょっぴり嬉しかった。 (私がガマンすれば良いだけだ) 「うーん。折角だし、今日は私もトコトン付き合うよ」 澪の返事が予想外だったのか、梓は目を白黒させている。 「……良いんですか?無理しなくても良いですよ?」 「うん……。今日は二人きりだから、律に笑われる事もないし」 そう言って澪は笑って頷く。 「―――じゃあっ」 梓は早速、定番中の定番であるジェットコースターに向かう。楽しそうに駆け出す梓に、 澪は目を細めながら後を追った。 だが、澪の見通しは甘かったと言わざるを得ない。あまりの恐怖感に、澪はこれ以上ない程の醜態を晒して しまったのだ。 (ううっ、怖かった…梓の前で恥ずかしい所見せてしまった……) 半泣きでズーン、と落ち込む澪に、梓は優しく手を掛けてくる。 「まあ、気絶しなかっただけ澪先輩にしては上出来じゃないですか?」 「梓、全然慰めになってない…」 梓は笑顔を浮かべたまま弁明し、突然澪の背中に抱きついてくる。 (ひゃっ!) 危うく声を上げそうになる。梓の不意打ちに、澪の顔はみるみる赤くなっていく。 (あ、梓……) 梓の温もりが背中越しに伝わってくる。それは、梓の優しさであった。 「―――落ち着きました?」 梓が囁くと、澪はそっと振り返る。そこには太陽のような眩しい笑顔があった。 「もう、梓のいけず……」 思わずドキリとしてしまう。真っ赤になった顔を見られたくなくて、澪は顔を背ける。 すると梓は返事の代わりに澪の身体をぎゅっ、と抱きしめた。 (ありがとう、梓……) 結果的にオイシイ思いをした澪は、幸せな気分に浸っていた。 その後二人はゲーム系のアトラクションを中心に回ったが、 どれもこれも満足出来るレベルであった。梓はすっかり上機嫌ではしゃいでいる。そして、澪は そんな梓の様子にすっかり目を奪われていた。 太陽は傾き、地平線に沈もうとしていた。オレンジ色の世界で、二人は観覧車の行列に並んでいた。 「私、観覧車からまったり景色を眺めるのが好きなんだ。夜景も捨てがたいけど、今だったら良い感じに 夕焼けが楽しめそうだろ?」 澪は胸元に手を合わせながら嬉しそうに語り出す。 (梓と二人っきりで観覧車か~) 「澪先輩、早く乗りましょうよ?」 気が付くと、二人の順番が回ってきたようだ。 二人はは観覧車に乗り込んだ。 ちょっぴり頬が赤くなっているのが自分でも分かる。梓に気付かれないように澪は、外の景色に目を移す。 「わあ……!」 赤く染まった地上が、ゆっくりと遠ざかっていく。思わず澪は声を上げてしまった。 「梓、綺麗だな~」 澪が声を掛けると、梓はクスクスと笑っている。しばしの間、澪は観覧車からの風景に目を奪われていた。 梓も珍しく黙り込んだまま景色を見つめている。 いつからだろう? この先輩を目で追うようになっていたのは。 憧れ? 尊敬? 最初はそんな気持ちだった筈だ。 けれど、今の自分にある感情は違う。先輩後輩という垣根を越えたモノであった。 この気持ちは、ずっと心に閉まっておこうと決めていたのだ。 それは、決して実ることのない思いだから――― (あ……) 澪の視線の先。そこには鮮やかな夕陽に照らされた海が見えた。 「なー、あれ海だよな?」 澪は身を乗り出して梓の腕を取る。 「オレンジ色にキラキラしてて……。綺麗だな……」 そのまま澪はうっとりとした表情で梓に寄り添う。 ちらり、と澪は梓を見る。すると、何故か梓は視線を逸らしている。いつの間にか梓の表情からは 笑顔が消えていた。 「梓どうしたんだ? 具合悪いのか?」 澪は心配そうに梓の顔を覗き込んだ。すると梓は一瞬ビクリと硬直してしまう。 「な、何でもないです……ちょっと目眩がして……。寝不足だったからですかね?」 「ふーん……?」 (私ばっか舞い上がってて……。ゴメンな、梓……) この時、澪は大きな勘違いをしていた。自分の趣味に付き合わせたせいで、梓は体調を崩す程に 気を使っていたのだ、と。 澪は知らない。梓の心境に劇的な変化があった事を――― 観覧車を降りた後も梓の態度は変わらない。 一番心配していた梓の具合はすぐに回復した様子だが、どこか澪に遠慮しているような仕草が 目に付いてしまう。これには澪もズーン、と落ち込んでしまう。だが、これ以上梓に迷惑を掛けたくない 一心で、澪はずっと笑顔を絶やさなかった。今にも泣き出しそうなくらい、心は痛むのに。 (私……、知らない間に梓を傷付けてしまったのか……?) 内向的な性格の澪はついついネガティブな方向に感情を膨らませてしまう。梓の異変は自分のせいだ、と すっかり思い込んでしまっていた。 (ごめんな、梓……) 澪は心の中で何度も梓に謝っていた。 梓はそんな澪の痛みに気付かない。何故ならば、梓は自分の理性を取り戻すのに必死だったのだから。 澪は悲痛な気持ちを抱いたままで。 梓は自分の中に芽生えてしまった感情を抑えながら。 二人は本心を隠したまま、アミューズメントパークを後にした。 帰り道。二人はポツリポツリと他愛のない会話を交わしながら帰路につく。ここでようやく梓にいつもの調子が 戻ってきた。謝るタイミングを窺っていた澪は、意を決して話を切り出した。 「―――梓」 「はい?」 梓が問い返すと、澪は俯いてしまう。申し訳なくて、澪は梓の顔を見れなかった。 「今日はごめんな。私のわがままに付き合ってくれて。」 「え?何で謝るんですか?私は凄く楽しかったですけど、澪先輩はあんまり楽しくなかったんですか?」 (えっ……?) 「そ、そんな事ない 私だって今日は楽しかった」 梓は笑った。 「そうですよね、しょっぱなから大騒ぎしてましたから」 「も、もう……、忘れてくれ……」 澪はジェットコースターでの忌まわしき記憶を蘇らせて、恥ずかしそうに赤面する。けれど、心の中では 笑っていた。梓が見せる、少年のような笑顔。それが嬉しかったのだ。 (良かった……。いつもの梓だ……) 澪の心にずっと残っていた痛み。それがみるみる内に消えていく。 ふと、澪の中で一つの疑問が浮かぶ。先程までの梓の異変。あれは何だったのだろう? と、その時。 梓はそっと顔を近付け、澪の耳元で囁いた。ちょっぴり頬を染めながら。 「大好きです、澪先輩」 (ウソだよな…?) 瞬間、澪の頭の中は真っ白になる。 (今、梓は何て言ったんだ……?) 聞き間違い? (大好き……?) 信じられない。だって、それは夢だったから。 「…………!」 指先が、口元が震えている。うまく言葉が出ない。ただ澪は真っ赤になって立ち竦む。 梓の顔が笑っている。赤い顔。澪と同じ、恥ずかしそうに笑っている。それは、偽らざる梓の本心。 「ほ、本当に? 私は、私はずっと―――」 じわり、と澪の目に涙が滲む。 澪はやや顔を伏せたまま縋るように見つめる。すると梓はまっすぐに澪を見据え、口を開いた。 「本当です。私は、ずっと澪先輩と一緒に居たいから。澪先輩の事が大好きだから……」 「私なんかで、良いのか……?」 「ハイ……。澪先輩じゃなきゃイヤです」 最早、涙は止めどなく零れ落ちる。梓の顔が滲んで見えないくらいに。 「梓っ!!」 堪え切れずに澪は梓を抱きしめた。そして、ずっと伝えたかった言葉を紡ぎ出した。 「私も……! 私も梓が好きっ!! ずっとずっと前から大好きだった……!!」 梓は泣きじゃくる澪の頭を優しく撫でた――― どれだけ時間が過ぎたのだろうか。やがて澪は涙を拭い、えへへ、と笑いながら顔を上げた。 クスクスと梓が笑う。 「……してもいいですか?」 ポツリ、と梓が呟く。肝心なところが聞き取れない程の、か細い声で。 「え? ご、ごめん私、ボーッとしてたから聞こえなかった。もう一回」 予想外の澪の返事に、梓は真っ赤になってしまう。 「み、澪先輩の意地悪~。そんな恥ずかしい事二回も言えなんて……」 「恥ずかしい?」 澪がキョトンとしていると、しびれを切らした梓は強引に澪の顔に手を掛けた。 「こーゆーコトです……!」 「…………!」 そして素早く澪の唇を奪う。ゆっくりと互いの舌が絡み合い、甘い吐息が漏れる。永遠に続くような、 濃密な口付けであった。たっぶりと堪能した後、梓はそっと顔を離し、えへへ、と照れくさそうに笑った。 対して澪の方はというと……、 「梓とキス、梓とキス……」 と、うわ言のように呟き、ぷつんと緊張の糸が切れたように崩れ落ちた。 「わああっ!? 澪先輩っ!!」 慌てて梓が抱き止めると、澪は真っ赤になりながらも笑っていた。 どうやらパンクしてしまったらしい。 「さすがにディープキスはやり過ぎでしたか……」 前途多難な恋である。梓は気弱な恋人を抱きしめたまま苦笑するしかなかった――― お終い
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マ「ただいま。」 蒼「おかえりなさい。今日はなんか遅かったね、ちょっと心配しちゃったよ。」 マ「そう?ごめんね。ちょっと用事が入っちゃって。」 蒼「だったら連絡をくれれば良かったのに。」 マ「ごめん。今度からはそうするから。」 とはいえ、今日の場合は正直に連絡するわけにもいかない。 まさか寄り道してDVD借りるのに、レジの前で30分も躊躇してましたとも言えまい。 第一、こんな物を見ようとしているのを蒼星石には知られたくない。 理解があるほうだと思うから、それで蔑まれたりはしないだろうが、やはり恥ずかしい。 蒼「・・・どうしたのぼーっとして。ご飯の仕度は出来てるからもう食べようよ。」 マ「あ、そうだね。ありがとう。」 さて、いつもならそろそろ寝る時間だ。 だが今日はこれからが本番だ。まずは蒼星石に寝てもらおう。 マ「・・・さて、これからちょっとやらなきゃならない事があるんで蒼星石は先に休んでてよ。」 蒼「そうなの?でも先に寝ちゃうのもなんか悪いなあ。」 マ「気にしないで、こっちの個人的な事情で付き合わせちゃうのも嫌だし。」 蒼「そう?じゃあお邪魔にならないようにお先に失礼するね。」 そう言って蒼星石は寝室へと消える。 よし、いよいよ実行に移そう。 借りてきてからバッグに隠したままのDVDを取り出す。 よもやこの年になってこんな物を見ることになろうとは・・・。 DVDをHDDレコーダーにセットしてドキドキしながら再生ボタンを押す。 ガチャ! マ(くぁwせdrftgyふじこlp!) 寝室のドアが開く音に頭の中が真っ白になりながらも、大慌てでテレビのチャンネルを切り替える。 蒼「・・・あれ、テレビ見てたの?」 マ「あ、いや、ちょっと天気予報でも見ようかと・・・。」 蒼「・・・英会話の番組で?」 マ「・・・・・・・・・。」 蒼「・・・・・・・・・。」 しまった。明らかに疑いのまなざしを向けられている。 マ「・・・英語で、天気予報を見ようと思ってね。そのための勉強。」 蒼「・・・ふうん。」 当然だが疑惑は晴れていないようだ。 マ「ところで蒼星石は何を?」 蒼「寝る前にせめてマスターにお茶でも入れたいなって。」 マ「うっ・・・!」 蒼星石の心遣いにありがたさと後ろめたさからほろりと来てしまう。 蒼「どうしたの?」 マ「ちょっと・・・感動して・・・。」 蒼「や、やだなあ。マスターってば大げさすぎるよ!」 マ「いや、本当にありがとう。」 蒼星石は台所へお茶を入れに向かった。 その心遣いに表面上だけでも応えるべく、DVDをこっそりと取り出すとパソコンの前に向かう。 さて、DVDもセットしたし、後は蒼星石が差し入れを置いていなくなったら再生しよう。 ヘッドホンは・・・もしもまた蒼星石が来た場合に気づかないと困るからやめておくか。 そんな事を考えつつ適当な作業を行っていると蒼星石が現れた。 蒼「マスターお待たせ、クッキーと紅茶だよ。」 マ「お、ありがとう。」 蒼「あれ?これって動画を見るためのソフトだっけ?」 何気なくディスプレイを覗き込んだ蒼星石がタスクバーを見て疑問を口にした。 ・・・そういえば以前にパソコンの使い方をちょこっと教えたっけ。しかし目ざといな。 マ「・・・そうだよ。」 蒼「・・・ちょっと・・・待ってて。」 マ「?」 せっかくの差し入れを持ったままどこかへ行ってしまう。 しばらくして蒼星石が戻ってきた。少し照れたようにして後ろ手に何かを持っているようだ。 蒼「あ・・・あの、僕じゃマスターを満足させてあげられないから・・・この位しか出来ないけど・・・。」 そこで手にしていた物をこちらに差し出す。 蒼「・・・忘れ物だよ。」 蒼星石が手にしていたのは・・・ボックスティッシュ・・・。 まさか・・・。 マ「あの、これはちょっと・・・。」 蒼「・・・足りない?」 マ「ちっがーう!それで何をしろと!?」 蒼星石は真っ赤になってうつむいてしまう。 蒼「ナ、ナニって・・・そんな事を僕に言わせて何が楽しいのさぁ・・・。」 消え入りそうな声でそう言った。 マ「いっ!?いや・・・そうじゃないって、そんなセクハラまがいの事を聞いてるんじゃないよ! というかそもそもそんなナニもしないって!」 だがセクハラを働く不埒者の気持ちがちょっとだけ理解できてしまったのも事実だ。 蒼「隠さなくてもいいよ・・・そりゃあ目の前でされても困るけど・・・。 でも若い男の人って大変なんだってね・・・頑張ってね。」 マ「だから違うって、頑張ったりしないから!!蒼星石は理解がありすぎだから!!」 間違いなく誤解を招いている。 蒼「いいんだよ、別に恥ずかしい事じゃないからさ。」 マ「あー、もう!見てもらった方が早い!!」 こうなったらもう隠し立てしても仕方が無い。というよりも隠していた方がダメージがでかい。 どうせ堂々と見るならテレビの方が良いと思い、DVDを取り出すと問答無用で蒼星石を抱き上げて移動する。 蒼星石を抱えたままテレビの前にどかっと腰を下ろすと、DVDを再生する。 蒼「あ・・・あの、僕はそういったものに関心は・・・。」 膝の上で赤面した蒼星石が何やら言いかけていると画面にDVDの中身が映し出される。 蒼「あれ・・・これって、くんくん?」 蒼星石の言う通り、画面では犬のぬいぐるみが活躍する人気番組が始まっている。 マ「この間の運動会の時、みんなはいろいろと詳しく知っていて盛り上がっていたじゃない。 自分だけ何も知らないみたいだったのになんだか疎外感があってさ、年甲斐もなく借りてみたんだけど・・・。」 蒼「あ、そうなんだ。僕はまた、てっきり・・・・・・なんでもない。」 マ「・・・そんなもの見ないって。第一、蒼星石以外の女性に魅力を感じたりするもんか・・・。」 蒼「え・・・あの、それって・・・僕で・・・。」 どうやらまたとんでもない誤解を招きそうな事をしでかしてしまった。 マ「ごめん、言い方が悪かった!・・・蒼星石でそんな事するなんて失礼な真似が出来るはずないじゃん。」 蒼「じゃあマスターは・・・その・・・どうしてるの?」 マ「だーかーらー、そんな事はしてないんだって!!一切しません!!」 蒼「じゃあ、マスターはずっとずっと我慢して・・・。僕のせいで、僕が普通の・・・」 その先が言えないように蒼星石をぎゅっと抱き締める。 マ「・・・だからさ、自分には必要ないんだよ、そんなもの。こうしていられるだけで十分満ち足りてるんだからさ。」 腕の力を緩め、今度は包み込むように優しく抱き締める。 その腕を蒼星石がそっとつかんできた。 蒼「僕も・・・こうしていられれば他には何も要らないよ・・・。」 マ「じゃあ・・・しばらくこうしていようか。」 蒼「うん・・・。」 DVDが終わり、画面が何も映さなくなってもずっとずっとそうしていた。
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澪先輩の家政婦になって数ヶ月がたった。 先輩は相変わらず忙しい日々だけど、一番近くに居れる家政婦は私にとって凄く嬉しくて楽しい・・・けど澪先輩に依存しちゃて良いのか不安にならない事もない。 結論を後回しにするのは悪い癖だけど、今この時は澪先輩の役に立てるならと思い気を引き締め晩御飯の準備に取りかかった。 あいなしに、澪先輩がキッチンに入って私に話掛けてきた。 澪「梓頼みがあるんだ。」 何だろう? 梓「どうしたんですか?」 澪「先週一緒に行ったデパートに取りに行って貰いたい品物があってな。 インフォメーションに置いて貰ってあるからお願いできるかな? 今日はもう遅いから明日で良いんだけど」 梓「了解です。 澪先輩は行けないんですか?」 澪「今晩から明後日までは仕事が詰ちゃってさ」 梓「大丈夫ですか?澪先輩無理してませんか」 澪「明後日まで頑張れば、明明後日からは二週間は休めるから取材も兼ねて一週間位 沖縄に旅行でもと思ったてチケット取ったんだ、だから旅行の準備もお願いできるか、二人分の準備は大変だろうけど」 梓「だから最近特に忙しかったんですか・・・とゆうか旅行の準備二人分て?」 澪「忙しくても仕事をこなせるのは梓が頑張ってくれてるからだしお礼みたいなものかな、それとも梓は、恥ずかしがり屋の人見知りの私に一人で行けと?」 梓「分かりました、澪先輩のボディーガード務めさせてもらいます」 澪「じゃあ頼んだぞ梓、私は仕事の続きをするから」 そういって澪は自室へ戻った。 梓『うわ、澪先輩と旅行って/// とりあえず明日品物取りに行って、明後日までには旅行の準備して澪先輩が終わらせれる様に精一杯補助しなきゃ』 梓は更に気合いをいれた。 一方自室に戻った澪は 澪『多分自惚れじゃない筈だよな梓 この旅行で私は・・・』 澪「良しその為には明後日までには仕事かたずけなきゃな。」 日付は流れて旅行当日の朝 梓は澪に頼まれた事を余裕を持って終わらせていたが、澪は抱えていた仕事 を明け方に何とか終わらせて、慌ただしく空港に到着した。 梓「澪先輩大丈夫ですか?徹夜ですよね。」 心配そうに、澪に声を掛ける。 澪「大丈夫だよ、楽しみにしてた旅行だしな梓と二人きりの」 言いながら悪戯ぽく笑う。 梓「///」 梓は赤くなって黙って俯く 澪「おっと時間だ梓いくぞ」 梓の手を取り搭乗口まで駆け出し、梓も手を握り返しかけだした。 (沖縄) 梓「澪先輩飛行機に乗った途端に寝るんですから、ビックリしました。」 クスクス笑いながら梓が言った。 澪「ごめんな梓、気を抜いたら寝ちゃてた///」 澪は罰悪そうに梓に謝る。 梓「怒ってませんよ、澪先輩の寝顔見れましたし」 澪「あずさ~」 そんなやりとりをしながら、2人は色々な所を時間を掛け見て回った。 紺碧の海・マングローブ・縄文杉・本当に偶然奇跡的に見れた西表山猫 どれもこれも澪の創作意欲を満たすに相応しい物ばかりか、澪と梓の息 抜きの旅行としても最高だった。 楽しい時間はあっという間だ、今日がホテルに泊まる最終日明日の夕方の 便で帰る事になる。 二人はホテルのベランダで夕日に染まる海を眺めていた。 澪「梓楽しかったか?」 梓「凄く楽しかったです、澪先輩は?」 澪「楽しかったよ、梓と一緒だったからな」 梓「みおせんぱい」 梓は澪の一言の言葉に胸を締め付けられた、 その『梓と一緒だったからな』は澪を愛してる 梓にとっては一番気に掛かった当然だろう、そんな梓に 澪は目を見ながら続ける。 澪「梓、私が梓に家政婦をしないかと言ったのは梓の事が心配だったのは 勿論だけど一番の理由は///」 澪が顔を赤くして言葉を詰まらせる。 梓「み・おせんぱい?」 澪「梓の事好きだから・・・同性同士だけど梓の事が軽音部に 入った時一目惚れしたんだ、だから梓が軽音部に残ってくれる よう支えたんだ、あれからずっと心にくすぶってた思いが、梓 とカフェで会った時耐えきれなくなって家政婦を持ちかけた、 ズルいとは思ったけど、梓に一緒に居て欲しかった、梓を独占 したかった卑怯なやり方かも知れないけど・・・」 澪が一気に自分の思いの丈を告白した、そんな澪を見て梓も澪 に伝える。 梓「澪先輩はズルくないです。ズルいのは私です カフェで本題ですと言いながら澪先輩に愚痴ちゃいましたよね あの時実は虫の良い話かもしれませんが、先輩の側に居たいから家のお手伝いさ せて下さいて頼みに行ったんです」 澪「あずさ」 梓「大好きな澪先輩の側に居たいです・・・ずっと」 二人はお互いの告白に顔を赤くしたが、夕日の光がそれを隠す。 澪「梓コレを」 澪は梓にリングを手渡す。 リングには(Mio Azusa)と刻印されていた。 梓「これは、先輩と私の名前が掘ってありますけど・・・」 澪「梓の事を愛してる、誰にも渡したくない例え依存だとか白い目で見られようともこの気持ちに嘘は付けない、私の方も同じリングを持ってる。 梓に渡したのが私のサイズで、私が持っているのが梓のサイズだ。 もしこの思い受けてくれるなら左手をだしてれ。」 澪の言葉を聞きそっと左手を差し出す梓 左手薬指にリングをはめながら 澪「ずっと一緒だよ、梓愛してる」 リングをはめ終えた澪は自分の左手を梓の前に差し出す 梓「澪先輩愛してます。ずっと隣りに居させてください」 梓が澪に言いながらリングをはめ終えると、澪は梓を抱きしめ少し腰を 屈めて梓の顔の前に自分の顔を持っていくと、 澪「梓これからも一緒に歩いていこうな、二人だけの路を」 囁いてキスをした。 空には沈んだ夕日の替わりに南の島の満天の星空が瞬いていた。 二人を祝福するかのように
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澪先輩の誕生日がやってくる。しかし私はどうしても良さげなプレゼントが浮かばない。 かといって花だけとか言うのも味気ないし、 あんまり高い物だと澪先輩に受け取ってもらえなそうだし。 仕方なく、私は最終手段を取った。何の事はない、本人にリクエストを聞いてみたのだ。 「梓のくれる物なら別に何でも良いよ」 予想通り、何の解決にもならない返事が。さらに、 「あ、でも高い物とかはいらないよ。梓に気を遣わせるのも悪いし」 しっかりと釘を刺されてしまう。私は澪先輩の為だったら全然気にしないんだけどな……。 「じゃあ、当日はデートしましようか。学校終わったら二人で街へ出て。一日くらい練習休んでも平気ですよね」 「あ、良いねそれ」澪先輩は快く承諾してくれた。 決まりはしたが、そーなると何処に行こうかで今から迷う……。 「うふふ。結局梓は悩むハメになるんだな」 悩んでいる私を見て、澪先輩は実に嬉しそうな表情でニヤニヤと笑っていた。 誕生日当日、放課後になると私と澪先輩は、電車に乗り目的地を目指した。 「なあ、まずはどこ行くんだ?」 「まずは純に聞いたオススメのスイーツのお店です。今日は遠慮なく食べて下さいね」 「ダ、ダイエット中なんだけどな……」 澪先輩はちょっぴり困った表情を浮かべる。と、澪先輩の隣に座っていた人が席を立った。 「梓、席空いたぞ」 「私はこのままでいいです」 「ここならずっと澪先輩の顔が見られる。私にとってはベストポジションです」 いつもと違って澪先輩を見下ろすという感覚は、ちょっとくすぐったい。 「むー……」 澪先輩は何か言いたげに口をとがらせる。多分、先輩の自分だけ座ってるってのは気が引けるんでしょう。 「じゃあ、帰りは梓が座ってくれ。私だって上から梓を観察してやる」 「こんな風にですか?」 梓は吊り輪を掴みながらずいっと身体を澪の顔に近付ける。 「あ、梓顔近すぎ」 「ふふ、しばらくこのままでいます」 梓はじっくりと目の前であたふたする澪を眺める。 ……いつもと変わらない光景。それが、澪先輩の望んだプレゼント? でも、いつもより歯がゆいような感覚がするのは気のせい? 「腕組んじゃいましょうか」 駅を出て、唐突に切り出す。返事も待たずに私は澪先輩の肩を抱き寄せた。 「さ、さすがにそれは恥ずかしい……」 「大丈夫ですよっ 誰も知り合い居ないんですから、これくらい」 「周囲の目が痛い……」 「気にしなければ良いんです。周囲にアピールしてやりましょう」 「しょうがないな、特別だぞ……」 私が必死に説得すると、澪先輩は恥ずかしそうにしながらおずおずと私の腕に寄り添ってきた。 澪先輩の温もりが伝わってきて、私は一段と表情を緩ませてしまう。 ……何故だろう、私の方が舞い上がってる。 「……ふふふ」 軽く照れ笑いを浮かべた澪先輩がとても可愛くて、私は懸命にドキドキするのを抑えていた…… 「わあ……。素敵なお店」 オープンテラスに腰を下ろすと、澪先輩はうっとりとした表情を浮かべる。 「こういうのって良いな……」 知らない街で、見知らぬ人を眺める。ゆったりした空気の中で、澪先輩は嬉しそうに紅茶を口に運ぶ。 「このケーキ美味しい。ムギが持ってきてくれるのみたい。梓も一口食べてみる?」 あーん、と言いながら澪先輩はフォークを差し出してくる。……気付いてるのか分からないけど、 さすがにそれは腕組みより恥ずかしいですよ、澪先輩……。 ぱくり。 「な?凄く美味しいだろ?」 そんな嬉しそうな表情見せられたら、私はもうお腹いっぱいです。。 「じゃあ、お返しに私のケーキをどうぞ」 恥ずかしさを誤魔化すかのように、私は自分のケーキを提供する。嬉しそうに口を開ける澪先輩を見ると、 ついついイタズラしたくななってしまう。 ひょい、ぱくっ。 澪先輩の口に入る直前でフォークを引き、自分の口へ。 「うーっ……」 これは恥ずかしかったのか、やや赤くなりながら澪先輩はジト目で抗議してくる。 澪先輩は怒った顔も可愛い。でもって……、 「ごめんなさい。はい、どーぞ」 ぱくっ。 「美味しい……」 ころっと変わる澪先輩の表情が堪らない。 「梓。美味しいお店連れてってくれてありがとうな」 けれど、澪先輩は笑顔一発で私のペースを崩してしまう。ダメだ、どうしてもこの笑顔には勝てない。 「お店教えてくれた純にお礼言わなくちゃですね」 私はぱたぱた手を振りながら、胸の高鳴りを押さえていた。 「梓、顔赤いぞ?」 くすくす笑いながら澪先輩が指摘してくる。私が振り回されてどーすんの 「じゃあ次行きましょう」 このままだと私の理性が持ちそうに無い。私はそそくさと席を立つ。 会計を済ませ、私たちは店を出た。 本当に、今日はこれで良かったのか……? 私は凄く楽しかった。いつもより笑顔の澪先輩も堪能出来たし。 でも。これはいつもと変わらない日常で。 澪先輩の誕生日という特別な日に、私は澪先輩の為に何か出来たのか……? 「そろそろ暗くなってきたな……。帰ろっか」 澪先輩は歩き出す。けれど、私は足を止めて…… 「……梓?」 きょとんとした澪先輩が私を見る。 「澪先輩……。何か私にして欲しい事あります?」 思い切って私は切り出してみた。不安が顔に出ていたのか、澪先輩はすぐさま私の気持ちを察してしまう。 「ううん、もう充分貰ったから?」 「えっ……?」 「私が欲しかったのは時間。梓と一緒にいられる時間だった。少しでも梓と二人きりになりたかった」 建前なんかじゃない。澪先輩はありのままの笑顔で答える。 「澪先輩……」 にこりと、澪先輩は笑って見せる。 「あれ私今格好いい事言った?」 「うーん……、どっちかっていうと恥ずかしい事です」 「うふふ、梓顔真っ赤」 「だって……、嬉しかったんです……」 もう、限界…… 人の目なんて気にしていられない。私は、思いっ切り澪先輩の身体を抱きしめた。 「私、今日はすっごく楽しかったから……。私ばっかり楽しんでるみたいで不安だったんです……」 「馬鹿だなあ……。梓が楽しんでて、私が楽しくないワケないだろ?……」 澪先輩は私の腕の中で、ちょっぴり呆れた表情をしている。 「私をからかって笑う梓。照れて真っ赤になる梓……。 どれもこれも、私の大好きな梓の笑顔。私には、梓の笑顔が最高のプレゼント……」 そして、澪先輩は、ゆっくりと私の温もりを味わうように目を閉じた。 私も、幸せで胸が張り裂けそうなくらい。ドキドキしてるのが澪先輩に伝わるくらい、幸せだから…… ……と、澪先輩は不意に顔を上げ、してやったりの表情で言ったのだ。 「うふふ。今度こそ格好いい事言っただろ?」 ハイ、ときめきシュガーもびっくりです。 私たちは帰りの電車に乗り込む。 混雑の時間は過ぎてたようで周りはガラガラ。 澪先輩も同じことを思っていたみたい。けれども行きの電車で言っていた約束を律儀に守って、 澪先輩は私の前に立っている。 「澪先輩も座ってくださいよ。歩き回ったから疲れてますよね?」 「ううん、こーやって梓の顔見てる方が落ち着く」 そして澪先輩は、私がやっていたように吊り輪を両手で掴みながらぶら下がり顔を近づけてくる。 「もう……。そんなに顔近付けてると、どうなっても知りませんよ?」 「へっ?」 きょとんとする澪先輩に、私は素早く顔を近づける。そして……、 「こーゆー事です」 ちゅっ。 「!!!!!」 さすがの澪先輩も、これはびっくりしたみたい。 「あ、梓いきなりそんな///」 「コレが一番のプレゼントだと思って」 「だ、だからっててこんな所で……」 「油断してた澪先輩が悪いんですよ」 「ううっ……」 「お誕生日おめでとうございます、澪先輩」 「最高に恥ずかしいプレゼントだよ……」 澪先輩ってば耳まで真っ赤になってる でも、これだけじゃ足りないから。 さっき澪先輩が、私にくれた言葉。それは、とても大切なプレゼント。 まだ、私はそれに答えていない。だから…… 「私だって澪先輩といたいから。ずっとずっと、一緒にいたいから だから、約束……」 私は、いつまでも澪先輩の隣にいますからね…… 囁きながら、私はもう一度澪先輩の唇にキスする。 幸せそうな顔で、澪先輩は、ゆっくりと頷いた…… おしまい